外反母趾の予防と靴について


外反母趾の予防と足袋シューズラフィートについて、足の専門外来を行っている整形外科医師にお聞きしました。

外反母趾は母趾(親指)の付け根が「く」の字に 大きく曲がっている疾患です。 症状としては母趾が靴にあたることで痛みが生じ、 歩行が困難になるなどの影響が出てきます。 長年放置しておくと母趾が隣の第2趾の下に入り込み、第2趾が脱臼するケースもあります。

外反母趾は圧倒的に女性に多い疾患で、外来患者の約9割を占めています。 その原因としてはハイヒール等の靴との関連性が強いと考えらています。 常に靴を履いて生活している欧米ではポピュラーな疾患で、 手術も多く行われていますが、 日本は靴文化の歴史が浅いため、外反母趾への関心が低く、 対処法の情報も少ないのが現状です。

軽度の場合は靴の指導や運動療法により、痛みを軽減したり、変形の進行を予防することができます。 中程度や重度に進行し、痛みで日常生活に支障が生じる場合は手術治療を行います。 その場合は、足の外来を専門としている 整形外科医の診察を受け、症状に応じて慎重に判断する必要があります。最近では手術による治療が年々増加傾向にあります。

外反母趾を防ぐには自分の足の形を知り自分に合った靴を履くことが大切です。 ただ、多くの女性はファッション性を重視しての靴選びになる傾向は強いと思います。 大切なのは外反母趾になった時に症状と上手く付き合い、進行を防ぐことにあります。足袋シューズを利用することも一つの方法だと思います。

足袋型の構造なので母趾の外反が抑制される効果が 期待できます。 ラフィートを履くと母趾を独立して動かせるようになり、母趾で地面を踏むという感覚が得られ、スムーズな歩行につながりやすいと考えられるのです。

靴をラフィートに変えるだけで、外反母趾が治るわけではありません。 痛みの軽減や安定した歩行、外反母趾進行の抑制効果が期待できます。 軽度や中程度の外反母趾がありながらウォーキングを楽しみたいという方に とっては非常に適した靴です。

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一般財団法人倉敷成人病センター 整形外科部長 大澤 誠也(おおざわ せいや)


日本整形外科学会専門医
日本体育協会公認スポーツドクター
日本足の外科学会評議員
平成5年岡山大学卒業 平成20年より笠岡市民病院において足の専門外来を行う。平成23年から倉敷第一病院で足の専門外来を行う。平成29年4月からは倉敷成人病センター整形外科に赴任し、足の健康セミナーと題した市民公開講座を定期的に行っている。

外反母趾の病態と症状

外反母趾とは母趾(親指)の付け根のMTP関節という部位で母趾が「く」の字に大きく曲がっている疾患のことをいいます。正常な足においても母趾は生理的に外反しているわけですが、外反母趾の患者さんはその外反の角度が通常よりも大きく、それにより何らかの症状が起こっています。症状としてもっとも多いのは母趾と靴が当っての痛みであり、足の裏などに痛みを伴う胼胝(タコ)がみられる場合もあります。そのため通常の靴での歩行が困難であったりして様々な活動に影響が及ぼされます。必ずしも変形の程度と痛みとは相関しませんが、長年外反母趾を放置した結果、母趾が隣接する第2趾の下に入り込み第2趾が脱臼するケースもあります。外反母趾は女性に圧倒的に多く、ハイヒールなどの靴との関係性が強いと考えられています。日本で靴文化が定着したのは欧米よりもかなり遅れていたという歴史もあり、日本では足に対する関心は少なかったという現状がありますが、今後外反母趾で悩む患者さんはかなり増加してくるものと予想されます。


外反母趾の治療

まず足の専門外来ではレントゲン撮影により外反母趾の角度を測ります。角度の小さい軽度の外反母趾であれば、保存的治療(手術以外の治療)を行うのが一般的です。保存的治療としては、靴の指導や足底板の作成、足趾の運動療法などが行われます。軽度の外反母趾であればそれにより痛みの軽減や変形の進行の予防が可能となります。しかし角度の大きい中等度から重度の外反母趾においては保存的治療では軽快しない場合が多く、痛みなどにより日常生活に多く支障が出る場合は手術治療が行われます。手術は主に中足骨という骨の骨切り矯正術となります。手術は非常に怖いものだというイメージが一般にはあるのではないかと思われます。しかし最近2年間で私自身が行った外反母趾手術は100例以上であり、本当に多くの患者さんが外反母趾で悩みぬいた末に手術を受けられており、結果として大幅な症状の改善が認められております。ただ手術においては、その適応と方法というものが非常に大切になりますので、足の外科を専門としている整形外科医の診察を受けて、慎重に決める必要があると考えます。


外反母趾の予防と足袋シューズLafeetについて

ラフィートはその足袋型の構造により母趾の外反が抑制されるという効果が期待できます。外反母趾の人は歩行時にうまく母趾に体重がのらず、他の足趾に多く負担をかけて歩行していることが多いのですが、ラフィートを履くことにより母趾を独立させて動かせることが可能となり、母趾で地面を踏むという感覚が得られやすいと思われます。言い換えると裸足で歩いているような感覚が得られやすいと考えられます。 もちろん靴を履くだけで外反母趾が治るというわけではありませんが、軽度から中等度の外反母趾がありながら、それでもウォーキングを楽しみたいという方々には非常に適した靴だといえるでしょう。 今後さらなる高齢化社会となっていきますが、足の健康というものは体全体の健康と直結するものだと考えられます。ラフィートを含めて自分に合ったいい靴を選ぶということも非常に重要であり、健康である限りはいつまでもしっかりと自分の足で歩きたいものです。


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